先の見えない時代。しかし、先が見えないと言って、嘆いてばかりいてもしょうがないのもまた事実です。こういった時代に幸せになるには、果たしてどうすればいいのでしょうか?
ひとつ言えることは、幸せな人生を送るためには、待っていてはダメだってこと。動き出さないと、始まるものも始まりません。そんなセルフスターターが、成熟社会を迎えた日本に住む、僕たちの役割だと思います。
しかし、動くということはリスクを伴います。だからこそ、リスクの取り方を先陣から学ぶ必要があるでしょう。リスクテイカーのモデルとなるのが、かのスティーブ・ジョブズです。
スティーブ・ジョブズのリスクの取り方は、書籍『図解 スティーブ・ジョブズ全仕事』のなかで説明されています。
IBMにパソコンのシェアを大きく奪われ、窮地に立ったジョブズは、マッキントッシュを開発し、強大なIBMに対して真っ向から勝負するという、危険な賭けに出ました。そして、こう言ったのです。
「今日、身の回りには危うそうに見えるものがたくさんあるが、いい兆候だ。向こうにはひと山ありそうなのに、まだ誰も手を出していない時期なのだ」
(P28より)
なるほどなるほど・・・。奥にある本当のニーズが見えていれば、危うそうなものしか見えていない人たちを出し抜いて、いち早く新しい価値を提供できる可能性があるということですね。
ただ、みんながみんな新しい価値を提供するイノベーターになれるのか?という疑問が残ります。誰しもがiPhoneクラスの新製品をつくれるか?と言われれば、やっぱり難しいと感じてしまいますよね。
セールスと経営の超専門家、佐藤康行先生の最新著作『お金の不安が消える本』では、それについての解決策が明示されています。
佐藤先生は、それを「打ち出の小槌のような人間になる」と表現されています。
普通の人なら、ラクそうな仕事、収入の高い仕事を選ぶかも知れませんが、私は、そういう理由で仕事を考えませんでした。自分が変化して、変化した結果、人やお金やものが自然に集まってくる「打ち出の小槌のような人間」になろうと思ったのです。
(中略)本当の商売とは、人の心を通過して、人に喜んでもらって対価を得ることです。人の心を通過しないでお金を儲けることが長く続くはずがありません。
(P45〜46)
おおっ!この「打ち出の小槌のような人間」というのは、とてもわかりやすいコンセプトです。ジョブズは、人々の生活を豊かにするアイデアを出しました。「打ち出の小槌人間」であれば、自分を変えることで、人の役に立つようになればいい。
そうすれば、リスクを取るといった危険な行為をするのではなく、人の役に立てるよう自分を少しずつ変えればいいだけです。リスクどころか、成長すればいいだけだと言えます。
結果、他人からはリスクと思われるようなことも、本人からすれば、常に工夫を重ねているにすぎないはずです。そうすれば、リスクを取る不安も解消されていくのではないでしょうか。
著:佐藤康行『お金の不安が消える本』