日出づる国の行方(Vol.9)~現代コミュニケーションが抱える問題~

このコラムのVol.7Vol.8では、鎌倉仏教の役割や、その開祖たちが
どのように庶民に寄り添い、コミュニケーションをとってきたかを見てきた。

今回以降はそれをベースに、現代のコミュニケーションについて
より深く述べて行きたいと思う。

 

現代のコミュニケーションを考える

現代では、お互いの家などに遊びにいくことは「禁止」している親たちが
非常に増えており、保育園(幼稚園)~小学校くらいの子どもを抱える
親たちは、特にこういった行為については念押しして「やめなさい」
という傾向が強くなってきているらしい。


その理由として、他人の家(自分の目の届かない場所)で危険なことや
対処できないようなことが発生したりすることを異常なまでに警戒し、
また、家にお邪魔したことに対してお礼をしたり、お礼を言ったりすることが
“厄介なこと・面倒なこと”として考えている等が挙げられるようだ。

子ども同士の関係性やコミュニケーション、意思等々とは一切関係なく、
親たちの意思・都合だけで「ダメ」の一言で片づけてしまう傾向が
強くなってきてしまっているようだ。

あくまでも「親たちの都合」だけが全面に押し出されているように見受けられる。

ただ、こういったことが「普通」になってしまった流れやその背景をみてみると、
それ相応の「正当な理由」というものもきちんと存在している。

それは「モンスターペアレントの急増」である。

 

モンスターペアレントの大躍進

「モンスターペアレント」(以下、モンスター)とは、学校や近隣住民、
子どもや自身の友達等々に対し、あくまでも「自分の子どもを保護する」
という名目で自分勝手極まりない理不尽な要求や申し立て、発言や請求等を行い、
例えそれが間違っていることが明白となったとしても、居直るもしくは
”逆ギレ”で一歩も譲らない・受け入れないことを平然と行う親(人間)を言う。

これは30代中盤~40代前半の第二次ベビーブーム世代を中心に
多く存在しているようであるが、昨今では、少しづつ低年齢化してきており、
今までとは異なる事態も急増してきているそうだ。

私自身も過去にもモンスターに関する話を色々と聞かされた経験がある。

ここで再度触れておくが、コミュニケーションというものは、
一方通行ではなく、相互の理解と関心・共感といったものが必要だ。

モンスターというのは、基本的に子どものしつけができていない傾向が強く、
何でも「子どもがすることは当たり前」と言い放ち、
全て正当化してしまう傾向が強い。

且つ、何でも「人のせい」にしてしまい、「自分(たち)は一切悪くない」
と平然と言い放つ傾向が強い。

発言の中身については、善悪の区別が存在していないケースがほとんどで、
常識的には「悪」と捉えられることであっても、それらを「善」と
捉えていると言わざるを得ないような内容が非常に多い。

しかしながらモンスターは、それを認めず、受け入れず、それが
「自分の子どもを保護すること・守ること」と思い込んでおり、
そこには一切疑念などはないのだ。

こうした「自分勝手なモンスター」は世の中で増加の一途を辿っている。

こんなモンスターが増加すれば、当然、モンスターではない普通の親たちは
身を守るために「関わらない」「広く浅く付き合う」という
防御体制に入ってしまう。

現代のこういった流れや風潮は、こういったモンスターが
”確立してしまった”と言っても過言ではないのであろう。

それだけ、このモンスターは増加しているということであり、
影響力を拡大しているということだ。

何とも悲しい、情けない時代になってしまったものだ。
この一番の被害者は「子どもたち」であるのは間違いないだろう。

このようなモンスターに育てられた子どもたちは、当然、将来的にも
コミュニケーションなどうまく取れるようになるワケもなく、ますます自分勝手に
自分本位に、好き勝手に言動・行動をするようになってしまうはずだ。

今、世間で問題視されている「イジメ」もこれらモンスターのしつけの問題が
見え隠れしていることは否定できない。

では、どうやったらこの「モンスター」と言われる人間たちとうまく関わって
いくことができるのか。これまでこのコラムで述べてきたように、
寄り添い、コミュニケーションをとることができるのか。

非常に難しいことだと思われるが、考えなくてはならない。
「難しい」と言うのは、モンスターは基本「自分の言い分だけを押し通す」ことを
「当たり前」と捉え、人の考えや意見は、一切どーでもイイ(関係ない)と
捉えている傾向性が非常に強いからだ。

一体、どうしなけらばならないのだろうか?

 

by マーケ・コンサル会社勤務/kazz

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