「真我開発をすると、本当に過去を変えられるの?」
その質問に母は、分かりやすく納得できるように
じっくり真摯に向き合って応えてくれた。
母は、大学で心理学が専攻だったし、
精神世界にも造詣が深い。
その母が、名古屋から新幹線を使って、
東京まで熱心に通い続ける真我開発講座とは、
いったい、どういうものなのか興味を持っていた。
もし過去が変えられるなら、
ひきこもりから完全に立ち直ることができる。
ひきこもっていた頃は、
ずっと生きる意味を探し求めていた。
求める答えに辿り着いても、
心の中で「だから、何?」と
すべて打ち消してしまう。
届きそうで届かない幻。
「だから、何?」は、存在そのものを打ち消す究極の言葉。
どうせ無に帰る宿命なら、生きていても意味がない。
「どんな出来事にも意味がある」というけれど、
25歳になるまでは、全く分からなかった。
佐藤康行さんの本に出逢うまで、
変えられるのは、未来だけだと思い込んでいた。
こんな究極なものがあるなら、
どうして世の中に浸透していない?
それまでひきこもっていた私が、
言葉にならないくらい感情的になった、あの日。
ひきこもった原因は、過去にある。
その過去の記憶に手を付けることができれば、
根本的な問題は解決する。理屈では、納得。
ただそれを具体的にやる手段がない。
確かに、両親の変化を見ると、「過去」を変えた結果、
今の「結果」になったとしか思えない。
つまり、今ひきこもっている私が、
此処に存在しているのが「結果」であり、
そして、「結果」があるということは、必ず「原因」がある。
「原因」のない「結果」はない。
過去の記憶が、今の価値観になっている。
同じ出来事、同じ現象を見ていても、捉え方は千差万別。
それは、自分の価値観でしか見ることができないから。
私がひきこもったことがきっかけで、
母が佐藤康行さんのセミナーを受講する。
しばらくして、父も受講。
一度も私に手紙を書いたことのない父が、
手紙を書いたことに驚く。
真我に目覚めると、
一瞬で問題が解決することが
切々と書かれている。
真我とは、本当の自分。
「本当の自分がいる」といわれても、
全く実感が湧かない。
ただ両親の変化を見ると、
認めざるをえない。
ひきこもっている私に対して、
それが悪いとか、否定的なエネルギーが全くない。
釈迦かキリストの境地にならないかぎり、
そんな対応はできない。
今、冷静に振り返ってみると、
その好奇心が行動の原動力だった。
*「7年間のひきこもりからYSカウンセラーへの軌跡」
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