明日、2012年5月21日(月)は、天候次第ですが北海道、東北、沖縄などを除く
太平洋側地域で、金環日食が観測される可能性があります。
東京で観測となるのは実に173年ぶりの出来事だそうで、
7:34~7:35頃にピークを迎える予定です。
提供:アストロアーツ/星ナビ
このように、一度の人生で見られないで終わることも充分にあり得る、
せっかくの金環日食ですから、僕なりにもっと楽しむ方法を
思いついたので、みなさんと共有できればと思います。
とは言え、金環日食は、実のところ特に珍しい現象ではありません。
2041年には中部、近畿地方で、また、2030年には北海道の空でも起こります。
1999年にはオーストラリアでも見ることができました。
東京という観測点で見た場合、173年に1回となりますが、
地球規模で見れば、観測点は自ずと増えていくことになります。
さらに踏み込んで言えば、地球上という枠をとっぱらえば、
宇宙空間では太陽と月が重なり、金環日食が起っているのを観察できるポイントは、
基本的には常に存在しているのです。
しかし、人間が宇宙空間でその視点を維持しようとしたら、とても大変です。
地球という僕たちの居場所があってこそ、
金環日食という現象に出逢うことができます。
そして、金環日食の役者が、太陽と月であることも重要です。
太陽に重なるのが月ではなく、例えば地球の隣にある金星や火星では、
地球からは遠すぎて金環日食とは成り得ません。
また、本当にあるかはわかりませんが、金星と火星が被って食を
起こしたとしても、太陽と月のそれとはスケール感に差が出ることでしょう。
つまり、金環日食は宇宙では日常的に観測できるはずですが、
それを173年に1回という、とても珍しい機会にしているのは、
地球、そして東京で観測するというその事実です。
さらには、僕たち一人ひとりが存在しなくては、
このすごい天体ショーは観測すらされません。
僕が、あなたがいなければ、金環日食は無いも同然なのです。
天空に存在する太陽も月もすごいし、母なる地球もすごいでしょうけれど、
金環日食はそのすべてに加えて、
観測者である僕たちも現象の一部だと教えてくれている、
そう捉えても構わないのではないでしょうか。
逆に言えば、金環日蝕という現象を通じて、
太陽と月と地球が、
「あなたはとてつもない存在なんです」と、
もてる力のすべてを使って、教えてくれているような気がするのです。
そもそも、宇宙は常に僕たちに対して、
同じメッセージを発しているのかも知れません。
しかし僕たちは、忙しい日々に流されたり、
あたりまえに過ぎる日々を大切に生きることを忘れがちです。
だからこそ、そのメッセージを感じるためには、
やはり実際に金環日食を体験してみるのが良いと思います。
金環日食は、あなたという奇跡とともに成立する。
そして、同じ奇跡である人間同士で、空の奇跡を最大限に楽しんでみる。
そういう気持ちで臨めば、金環日食は僕たちにとって
何百倍にも楽しめる天体ショーになるのではないでしょうか。