大飯原発の再稼働から、12日目を迎えて。

震災と原発事故は日本の転換点

大飯原発が再稼働してから、今日が12日目だ。

とりあえず、僕の住む東京都の荒川区では、表面的には平和な日が続いている。
でも、東日本の震災や福島の原発事故のことは、常に自分の胸の内にある。

これらの事象が、日本の転換点になることは間違いない。
今後の日本の未来、それも1000年、2000年単位での未来を左右する出来事だ。
しかし、そういった視点で震災と原発事故を捉える政治家や企業家は、まだ少ない。

地震、津波、原発事故のうち、原発事故こそが問題を一番根深くしている。
自然災害に、人の業(ごう)が絡みついてしまっているからだ。

再稼働の批判だけをすることはあまりにも簡単だから、口をつぐんでいた。
しかし、何も言わないと、何も変わらないような気がして、
もう黙ってはいられなくなってきた。

何か書くことも、行動の一つなのだろうか・・・そう自分に言い聞かせて、
自分自身を納得させてみたのかも知れない。そして書くことで、
この世の中の何かが動き始めるのならと思い、敢えて書かせて頂くことにした。

 

力を合わせれば、なんだってできる

とりあえず、大飯原発を再稼働させることそのものが、あってはならなかったと思う。
原発事故の被害者、特に福島県民の立場になれば、当然ではないだろうか。
再稼働させたことで、新しい日本がやってくるのが20年は遅れてしまった。

「長期的には脱原発を」と唱える経済界の方々も多いらしい。
「脱原発」自体に賛成ならば、原発が危険なことはわかっているということだ。
しかし「即時脱原発」でないということは、今原発を止めたら日本の経済のほうが
危なくなると思っているからだろう。

ただ、それでは順序が逆なのだ。原発を止めても誰も困らない方法を考える方が先だ。
本気で考えれば、絶対に思いつくし、実践できる。つまり最初から、原発がなくても回る
世の中ありきで設定することが大切なのだ。

現役のビジネスマンや経営者層は、資本主義社会で具体的に行動できる立場にいる。
そして良識と創造性があるのだから、現実的な方策を立てて、実行する。
要するに、この危機に際して、持てる力を最大限に発揮してもらいたいのだ。

「どうしていいかわからない」と言っている場合ではない。
それは、言い訳だ。僕たちの創造性、行動力は無限だ。その証拠に、
多くの人を助けたいと思えば、やる気が湧いてくるはずだ。
力を合わせれば、なんだってできるのだ。

 

犠牲者と僕たち、それぞれに役割がある

多くの日本人を救えれば、同じことで困っている世界中の人たちを救える。
日本は少子化、領土問題、医療の問題など、様々な問題を抱えている。

世界を見れば、宗教・民族の対立、戦争、飢餓など、こちらも問題は山積みだ。
今、日本だけでなく世界中で、人類は既存の路線からの一大変換を求められてる。
日本人は、震災と原発事故によって、いち早くその流れを感じ取り始めている。

例えば、今ヨーロッパでは、脱原発のうねりが広がっているという。
チェルノブイリでの原発事故の影響も大きいが、その動きに拍車をかけたのは
福島の原発事故だろう。

そして、福島の原発事故は津波の影響が大きいとするならば、
日本人の津波の犠牲者が、ヨーロッパの人々を原発の危険性から
救おうとしているとも言える。

そして世界中でさらに自然エネルギーが開発され、自然そのものに敬意を払い、
尊ばれるようになったら、犠牲者が果たした役割はもっと大きくなる。

もはや、世界はつながっている。だから、どの分野にどれくらいの貢献ができるか、
すでに犠牲になった人々ですら計り知れない。
ならば、生きている僕らがやるべき仕事、果たすべき役割は、まだまだあるはずだ。

 

by 中里 昌克

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