やるべきことがわかれば、自然に決断できる
11月6日(火)に放送されたテレビ番組「ガイアの夜明け」で、
決断に関する象徴的なシーンがありました。
外資系の食品会社、日本ケロッグの広報室長だった、ある女性のお話です。
3.11の東日本大震災が起こったとき、食品会社として被災地支援を
行おうとしたのだそうです。
*画像はイメージです
しかし、役所を通じてそれをやろうとすると、10日もかかってしまう。
一方で食品があるのに、それを本当に困っている人たちに
届けられない現実があったのです。
その女性は、その後被災地で復興支援を行うNPO、セカンドハーベストの
活動に参加して、直接行動することを体感しました。
そしてその後、大幅に給料が下がることを覚悟のうえで、
セカンドハーベストに転職したのです。
転職の際、9割の人から反対をうけたそうです。
しかし、その女性は「今動かなければ絶対に後悔する」との衝動に動かされ、
転職を果たしました。
「ささやかな自分の一言、行動であっても社会を変える可能性がある」と
おっしゃっていたのがとても印象的でした。
仕事への価値観が変われば、世界が変わる
転職とは、いいものでも悪いものでもありません。
転職によって何を得るかは自分次第だからです。
仮に失敗したとしても、それを外の環境のせいにして時間を浪費するか、
それとも困難から何かを学び、成長しようとするかは本人次第です。
元日本ケロッグの広報室長だった先の女性も、大企業から小さなNPO法人に
転職したことで、テレビからは見えない苦労があったはずです。
しかし、本人を幸せにしているものがあるとすれば、
それは天命に生きるということなのです。
番組「ガイアの夜明け」の調査によると、3.11の東日本大震災以降、
「考え方や、働くことへの仕事に対する価値観は変わりましたか?」
というアンケートに対して、変化したと答えた人が
500人中、205人いたということでした。
約40%の人たちです。厚生労働省が発表した最新の資料によると、
日本の労働人口は6300万人です。単純にあてはめるのは無理があるかも
知れませんが、番組のアンケート通り40%とすると、2520万人もの方々が
仕事の価値観を変えたと言えるかも知れません。
実は、僕もその一人です。震災を経て、今があります。
ですから、震災は単なる災害ではなく、日本の仕事観を変え、
世界を変える契機になっているともとらえることができます。
すると、震災の犠牲者、原発事故の被害者の方々を、単なる犠牲者と
捉える気持ちが薄れてもきます。尊敬と感謝の念をもって、東北の復興を
支援させていただくしかない、と思えてきました。
真剣に向かうから、本物に出会える
さて、先ほどのアンケートでは、実際に転職した人が3%いました。
日本の労働人口に換算したとすれば、189万人です。
東日本の震災で仕事に対する価値観が変わり、実際に行動に移した人が
189万人もいるかも知れないのです。
確かに、転職すること=世の中を変えることではありません。
転職で環境を変えるのではなく、自分が変わらなくては、
絶対に世の中を変えるなんてことは不可能だと思います。
しかし、震災によって命の尊さを知り、自分の命をどう活かすのか、
自分のやるべきことは何なのかを知ろうと、真剣になることは
とても大切です。本当に真剣に向かっていかなければ、決して本物に
出会うことはないからです。
震災で亡くなられた方々は、僕たちが命を本当に大切にして、
天命に目覚めることを応援してくれているのだと思います。
決断とは、無理に行うものではなく、天命や本物を真剣に求めていくことで、
自然にしなくてはならない状況に置かれるものなのではないでしょうか。
もし、あなたが真剣に迷ったり、決断に迫られているとしたら、
それはあなたが一所懸命に生きてきた証拠です。
そんなあなたが決断をするのだとしたら、結果がどうあったとしても、
ベストな決断だったということです。決断に向かっているあなたを、
また、これまで数々の決断をしたあなたを、僕はとても誇りに思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
*「転職から天職へ」Vol.15はこちら / Vol.17はこちら / 記事一覧はこちら
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