トヨタ自動車に伝わる、古の企業理念

2008年、トヨタ自動車は自動車の生産数、販売数において、
当時世界一だったアメリカのゼネラル・モーターズを抜き、トップに立ちました。

そのトヨタ自動車の出発点は、1926年、豊田佐吉さんが創業した
株式会社豊田自動織機という織物機の会社です。

佐吉さんは、1867年生まれ。明治より前の時代に生まれてます。

この頃の日本は幕末で、幕府が孝明天皇に約束した攘夷を
長州藩がいち早く(勝手に?)実行、下関でアメリカ・フランス・オランダの
艦船に砲撃した年でもあります。

その後、豊田佐吉さんは1930年に逝去しますが、
豊田利三郎さん豊田喜一郎さんといった、トヨタグループの黎明期を支えた人たちが、
だんだん大きくなってきた会社の社員に、佐吉さんの理念を周知徹底するため、
遺訓を明文化する必要性が出てきたと感じたのだそうです。

そして、佐吉さんの6回忌である1935年10月30日、
「豊田綱領」がまとめられました。

以下、トヨタ自動車のホームページより「豊田綱領」を引用。

一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし。
一、研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし。
一、華美を戒め、質実剛健たるべし。
一、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし。
一、神仏を尊崇し、報恩感謝の生活を為すべし。

トヨタ自動車のホームページによると、
創業以来今日まで、経営の「核」として貫かれているそうです。

今読むとさすがに文体は古風ですが、中身は古びるどころか、
現代に生きる僕たちも、はっとさせられる言葉がちりばめられています。

僕たちは先人たちの思いを受け継げているのかな・・・。
そんなことを考えさせられますね。
むしろ、後退している部分もあるかも知れません。

「豊田綱領」のなかで、僕が特に注目してもらいたいのが、
一番最後の項目にある、
「神仏を尊崇し、報恩感謝の生活を為すべし。」のところです。

〝神仏〟というと宗教的に思われるかも知れませんが、
お伝えしたいのは神を崇めようとか、そういうことではありません。

かつての日本では、近代化以後の企業経営にも、
神仏が同居していた時代があったということです。

今の時代に合致する言葉に直せば、
「自然の法則、宇宙的真理」に添った企業経営が、
今後の世界で評価され、伸びていくのではないでしょうか。

そして、仕事をする僕たちだって、自然に則った仕事をし、生きることが、
世界的にも幸福を創っていくのだと思います。

そのほうが、僕たちも僕たちの子孫たちも、生きていて楽しそうですよね。
また、そんな世界になっていくことが、
トヨタグループ創業者である、豊田佐吉さんの願いなのかも知れません。

 

(文 / 中里 昌克)

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